予防医療とは、症状が顕著になってから医療機関にかかるのではなく、その前の段階で症状の改善や悪化の予防に努める医療のことをいいます。健康診断や人間ドックなどの検査では、平常値から外れた数値が無いかをチェックし、当事者の発病リスクを導き出します。そこから医療従事者が介入して、生活習慣の見直しを指導したり、再検査を促したりします。

人々の予防医療を促進するためには、個人が定期的な検査をきちんと受ける環境をつくっていく必要があります。病気を早期発見することができれば、比較的簡単な治療で完治することが可能になります。そのため、予防医療の啓発は、本人の心身の負担、金銭的な負担などを考慮したうえでも大切なことだといえるでしょう。

中でも特に、がん検診は積極的に受けておきたい分野です。健康診断や人間ドックなどは忙しさにかまけていると後回しになってしまいがちです。日々忙しく働いている人ほど、気付かないうちに疲労やストレス、病の原因を抱えていたりします。そんな人ほど、自身の健康は意識した方が良いでしょう。日本は仕事第一優先のような風潮があり、身体あってこその人生であることを忘れがちです。不摂生をしがちな人はぜひ、がん検診を積極的に受けて、同時に大切な人にも声をかけてほしいと思います。

健康でいるうちは、そのありがたみをなかなか実感できないものです。「健康」とは、あたかも空気や水のようなものであり、普段意識することはありませんが、失ってみて初めてその価値の大きさに気付くものです。後悔することがないよう、健康なうちから積極的に予防医療に目を向けることが重要です。